ぽっちの武道館
ひとつ大きなものを失って、ひとつ大きなものを得る。
有難きを知り感謝を表せば、また別の大きなものを失う。
しかし大きなものを失ったり得たりするたびに伴う自身の行動には少しばかりの美学を持っていたつもりだ。それがある御仁にはお気に召さなかったのであろう。
やっさもっさで約一年と半年のブランクだったが居合が好きなんだから仕方がない。きちんと道着を着れるだろうか、業を覚えているだろうか、など脳みそでの心配をよそに体が勝手に覚えていてくれて、改めて継続することの大切さを知った。が、さすがに体はガチガチだ。
久しぶりの野々市武道館での稽古初めは一人ぽっち。凡そいつもは一人ぽっちだったが、今年からは本当に一人ぽっち。
本来自分が組織や派閥の一員など肌に合うはずもなく、仕事も一人ぽっち。呑みに行くのも一人ぽっち。しかし多くの人に励まされ見守られていることを自覚しているから尚のことぽっちが楽しい。
そして半世紀を越えて迎える大海原を如何に航海し如何に乗り切るか、誓い新たに踏み入る睦月の武道館は手足かじかみ、ああ、貼るカイロを持ってくればよかったと後悔する。
ちゃっぷいちゃっぷいどんとぽっちい
毎週木曜19時より野々市武道館二階剣道場にて by おっとこまえ