癒しの神は張子のワンちゃん
北陸新幹線が開業して半年が経った。
石川県観光PRマスコットキャラクター「ひゃくまんさん」もとっても活躍しているみたいだ。
この「ひゃくまんさん」は石川県の郷土玩具であり縁起物の「加賀八幡起上り」がモチーフなのは知られているが
その起き上がりの由来
昔、氏子の一老翁が当八幡宮に参詣して御神像を受け、日夜多幸を祈って宏大なる御神恩に浴した事を深く悦び、諸人のためこの起き上がりを発案して毎年正月に献じたのを社参の人々がこれを拝受して、厄除け・病気平癒・愛児の健康祈願・起き上がると言われるため社業繁栄・商売繁盛のお守りとしたのであります。
「ひゃくまんさん」もいつまでも子供たちの人気者であってほしいと願うばかりである。
さて前置きがちと長かったが、おっとこ前住処の蔵の中から同じく郷土玩具であり縁起物の人形が出てきた。
10年近く前に愛知県一宮市に鎮座する真清田神社を訪れたことがある。
主祭神は天火明命
天照大神の孫にあたり、天孫降臨の瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の兄、尾張氏の祖先とされる。饒速日命(にぎはやひのみこと)と同一神と考えるならば、石川県にも祀られている神社がある。
◇ 神田神社 金沢市神田町1-15-20
◇ 神田神社 白山市吉田町881
さて…
真清田神社の社務所で一際目を奪われた「張子の犬」
なんでも初宮詣りに関係しているみたいだ。
子もいないのに、かわいかった…というだけで、深く考えずに購入してしまったから初宮詣りの紙札が括られていたことも後々気づいたのだ。
初宮詣りに犬張子を用いるのは名古屋の熱田神宮が発祥という説がある
◇ 犬張子(犬の子のように病気せず元気にスクスク育ってほしいという願いを込めて)
◇ 扇子 (末広がりに人生が開けるように)
◇ お金 (お金に不自由しないように)
◇ でんでん太鼓 (元気に育つように、裏表の無い子どもに育つように)
上記すべてを麻紐に括り背中にぶら下げて初宮詣りをする。
そして使用後は
◇ 犬張子は七五三の時に神社に奉納
◇ 扇子は犬張子と一緒に奉納するか左義長へ
◇ デンデン太鼓は子供をあやすための玩具として使用
◇ お金は縁起がよいので子供の貯金の元銭に
ただこの犬張子がどこで作られているのかがわからない。
江戸張子にも「籠かぶり犬」「ざるかぶり犬」なるものがあり、とても似ているが違う…
京都の太秦張子にも似たような犬張子があるがこれも微妙にちがう…
地元金沢にも中島めんやが犬張子を販売しているが、
チガーウ…
真清田神社と熱田神宮で授与品があるだけなのだ
御参拝の折には是非里親になってあげてください(笑)
尾張も加賀も前田の殿様がご縁で今でも深いつながりがあるが、子の健やかな成長を願う親御の思いはどこでも不変だ。
現代もこのような親御の思いが込められた玩具があってほしいと切に願うおっとこ前である。
by、住処で放し飼いにしている張子のわんちゃんをぼんやり眺め「張子の虎」に化けないよう常に身を引き締めている気になっているおっとこ前であった