萬狂言 金沢公演 十五周年記念 告知!
平成27年11月8日(日)
石川県立能楽堂にて
平成12年に『萬狂言 披 金沢公演』を開催し、年に一度の公演を重ね、今年は十五年という節目の年を迎えました。
今回も人間国宝の野村萬氏と九世野村万蔵氏が金沢を訪れ、北陸支部の能村祐丞一門とともに、和泉流野村万蔵家の狂言、三曲を公演いたします。
また今回は九世野村万蔵氏の長男・野村虎之介氏、次男・野村拳之介氏、三男・野村眞之介氏による狂言小舞も見どころのひとつ。
では簡単ですがあらすじを紹介します
狂言「止動方角」
あらすじ◇
主人は茶比べのため、茶のほか太刀や馬まで伯父から借りてくるよう太郎冠者(シテ)に命じる。伯父は快く貸してくれ、この馬は後ろで咳がすると暴れだすから、「寂蓮童子六万菩薩、しずまり給へ止動方角」と唱えて鎮めよと教える。
太郎冠者が帰路に着くと主人が迎えに出ており、「遅い」と叱るので、太郎冠者は咳をして主人を落馬させる。再び騎乗した主人が太郎冠者を叱り続けるので、太郎冠者はまた落馬させる。そこで今度は太郎冠者が馬に乗り、「人を使うようになったときの稽古だ」といって、自分がやられたとおりに主人を叱る。怒った主人が太郎冠者を突き落とし馬に乗ると、太郎冠者は咳をして落馬させるが、馬とまちがえて主人に乗り、鎮めてしまう。
曲趣◇
ウップンのたまっていた太郎冠者が、みごとに報復する展開。茶比べとは、中世に流行した遊びで、茶を飲んで産地などをあてる闘茶のこと。馬の役はモンパという一種のぬいぐるみに賢徳面・黒頭を着け、四つんばいで出て、時々いななく。
狂言ハンドブックより引用
プチ見どころ◇
それ本当に馬ですか??なんて軽くツッコミしたくなるような、何とも言えない愛嬌??のある馬が出てくる。馬役に狂言面「賢徳」を付け、馬のたて髪というよりはライオンのたて髪のような髪型と赤い着ぐるみのような衣装。たまに…鳴く。鳴き声も興味深い。
狂言「栗焼」
あらすじ◇
太郎冠者(シテ)は貰い物の40個の栗を焼くように命じられる。めをかく(切れ目を入れる)のを忘れてはねさせたり、焦がしそうになったりと失敗もするが、なんとか全部焼き終わり皮をむく。ところがあまりにみごとな栗なので、つい手が出てしまい、とうとう全部食べてしまう。困った冠者は、36人の竈の神親子に栗は進上してしまったと言い訳し、残った四つをだせと詰め寄られると、ひとつは虫食い、あとの三つは栗を焼くときの言葉に「逃げ栗、追い栗、灰紛れ」というとおりで、どこかにいってしまったとごまかすので、主人から叱られる。
曲趣◇
理屈をつけながら栗を食べてしまう冠者の気持ちや珍妙な言い訳に、共感と笑いが誘われる。冠者が栗を焼きはじめてから食べてしまうまでの独演が見どころ。栗の跳ねる音や焼ける様子を擬音で表現し、焦げた栗をあわてて火中から拾い上げるところや、息を吹きかけさましながら皮をむくところなどをリアルに演じる。
狂言ハンドブックより引用
プチ見どころ◇
今年、平成27年3月29日(日)に人間国宝の野村萬氏が同じ金沢で”見物左衛門 花見”を演じたがこれを参観した金沢人には野村萬氏の独演の妙がまだ目に焼き付いていることと思う。食欲の秋にちなんで、能楽堂の受付付近に”甘栗”でも販売するくらいの演出があってほしいが…あまい?
狂言「弓矢太郎」
あらすじ◇
天神講の連中が、臆病者のくせに強がリの弓矢太郎(シテ)を脅してやろうと相談する。策略にはまった太郎は、天神の森に鬼がいるという噂を確かめにいく羽日となる。連中の一人が太郎を驚かしてやろうと、鬼の面をつけて見張りにいくが、太郎も恐がって鬼の面をつけてくる。互いに出くわして目を回すが、先に事情を察した太郎が、様子をみにきた連中を脅して追っていく。
曲趣◇
変化に冨んだ曲で、太郎の臆病ぶりと、 全く同装にあつらえた鬼同士の出会いが見どころ。
狂言ハンドブックより引用
プチ見どころ◇
驚かそうとしている人と、怖がっている人では、明らかに怖がっている人のほうが鬼に驚くと思うのだが、先に事情を察するのが太郎という点が面白い。天神講の連中も同じ穴のむじなといったところであろう。
今回もおっとこ前はカメラマン担当
能楽堂からきちんと許可を頂き、腕章を装着するわけですが、一般の参観者からすると、シャッター音が気になる方もいらっしゃると思う。重々配慮して撮影に臨みますが、カメラマンは複数いると思います。気になることがございましたら、遠慮せずにイチバン かっちょいい カメラマンにお申し付けください。
by ナルシストおっとこまえ