投稿日:2015年10月19日

あぶり餅と焼き鳥とコーヒーと

平成27年10月15日(木)~17日(土)の三日間

金沢神明宮にて、あぶりもち神事が行われました。

これは秋季例大祭と合わせて行われますが、5月15日~17日の春季例大祭にも同様にあぶりもち神事が行われます。


金沢神明宮あぶりもち神事 三日目

あぶりもち神事

悪事災難厄除にご利益がある社として古来より「祓宮はらいのみや」と言われ、特に春秋の例大祭は「お日待祭ひまちまつり」「あぶりもち神事」と呼ばれ三百年以上続く全国只一つの悪事災難厄除伝統特殊神事として有名です。


前田家二代・利長公が春秋両度の祭礼を厄除神事として奨励し、御祭神のご利益を広く民衆に広める手立てとして祭毎に供える餅を御幣(お祓いの用具)形に串刺しにしたものを飾って「家守いえまもり」とする一方で、聖火にあぶったものを食して身体の災厄を免れる信仰として自ら範を示した事が起源とされます。

金沢神明宮公式サイトより引用

この三日間はたい焼きや焼き鳥、くじ引きなどの本職の的屋てきやさんも軒を並べ、あぶりもちを購入された参拝者に、その場で頂けるあぶりもちとお茶がふるまわれます。


初日などは社務所に列がつくほど賑わいを見せますが、まあさすがに三日目ともなると参拝者もまばらに…


しばし焼き鳥屋の姐さんと談笑


現在の的屋さんは任侠稼業の方々とは完全に分離しているが、あまりよくないイメージがいまでも付きまとう。

飽食時代の象徴でもあるコンビニなどの増加で、いつでもどこでも食べ物が入手できる。

境内の一角を借り、電気代も支払うと、イベントや場所によっては大きな赤字だそうだ。


どうせなら遊戯系のお店も軒を連ねれば、子供たちも楽しめるのだが…

などと、子供のころに思いを馳せてみる


おっとこ前が子供のころは的矢まとやといって

弓矢を使った的あてやおもちゃのライフルを使って景品にあてる遊びがあったが

客が弓を放っている最中に矢を回収するのが大変危険で、矢場(やば)とも言った。弓道場も矢場。

矢場は危ないよ…から転じ、危険なことはヤバイ!


おっとこ前の兄さんかっこよすぎ!マジやばくない??← これは間違った使い方(笑)

金沢神明宮のあぶりもちと的屋のやきとり屋さん

まあ以前は確かに店の中にはヤバそうな兄さん方がたくさんいた。

高校の時などは的屋の兄さんに絡まれ、的屋の兄さんに助けられた?こともあった(笑)

「おまえどこの組のもんや!」

「すんません3年1組です…」

「こら!中坊いじめたらあかんど!」

「すんません高校です…」

「こーこーせえはこーこーせええらしく家で勉強せい!」

「すんません中学生ならいいんですか?」

「おまえおもろいやっちゃな~」

「それはあなた方です(心の叫び)」


そんなような会話を積み重ね(笑)大人の世界の微妙な裏表を理解していく。

裏表というのは、平穏と危険と云うべきか…

現在では事前に両親にストップが掛けられ、危険地帯の一歩手前にも進めない子供たち…少し不憫になってしまう。


まあそんな絡んできた的屋さんの横でタバコを吹かしていた、赤毛アフロのお姉さんは現在では焼き鳥屋の姐さんのようになっているのだろうか(笑)

串を回す手と寂しそうな表情を浮かべる深い年輪が的屋稼業の明暗を静かに教えてくれた気がした。


金沢神明宮発祥の846COFFEE(やしろコーヒー)さん

さてさてそんな金沢神明宮が発祥の珈琲屋さんも的屋さんに交じって出店されていた。

今年1月の初詣の時は「YATAI COFFEE」で社務所の横に小さな屋台を出されていたのが、今では10月納車のカフェカーですよ!金沢神明宮…神社の「社」にあやかって


846やしろCOFFEE」


屋台でスペシャルティコーヒーが味わえる


スペシャルティコーヒーとは何ぞや!!


簡単に言うと、コーヒー生産国においての適切な品質管理と輸送と保管が徹底され、欠点豆の混入が極めて少ない生豆を新鮮な状態で、飲む直前に挽いたコーヒーのこと。

でいいかなぁ…


今回はカフェカーでの販売ということもあって、ビールやウォッカも楽しめる!!


焼き鳥屋さんで串三本を買ってきて、コーヒーウォッカを注文、おつまみにミックスナッツがついてきて

もう居酒屋です

お・と・なのお祭りです!


あっ…もちろんコーヒーは最高です!

気さくなマスターのコーヒーネタはとても面白く、たまにスペシャルティコーヒーの試飲もさせてくれる。ありがたーいことです(合掌)

出店予定などはフェイスブックページで確認できます。

おっとこ前プレゼンツ「コーヒーカンタータ」byバッハのポストカードが貼ってあるよ!チョット斜めに!(笑)


コーヒー屋さんで頂くウォッカと焼き鳥は最高です!

さて最後にこのあぶりもちとは何ぞや??


金沢市東山に「高野山真言宗 長谷山観音院」がある。

観音さまといえば

観音様の縁日は毎月「18日」だが、これとは別に室町時代以降「功徳日」と呼ばれる縁日が新たに加えられ、中でも8月9日、10日の功徳日は、その利益が最も多くて「四万六千日」と呼ばれるようになった。

参詣者がこぞって求めた観音町名物は、門前に店を構える若松屋の飴と、蓑屋のお焼き団子である。

お焼き団子は白味噌生姜たれの四つ刺し団子で、行き交う人の袖にタレが付いて困ったという逸話が残るほど人気が高く文化・文政(1804~1830)の頃は、二人の美人姉妹も評判を呼んだという。

このお焼き団子に着想を得て、千日町の団子商・茶屋梅田与三右衛門が文政年間(1818~1830)に創案したのが、野田神明宮(泉野神社)の祭礼名物として知られる炙り餅である。

こちらは御幣の形をした五つ刺しで、タレはお焼き団子と同じ白味噌生姜。現在は神明宮が直接扱っているが、当時は境内に軒を並べた露天商が商っており、私の子供のころも露天商で買っていた記憶がある。『炙り餅を食べると物負けしない』とされ、境内で食べてしまう慣わしだった。

月刊「アクタス」より一部抜粋

ただあぶりもちを神明宮で売り出すというのはとても珍しく非常においしかったらしい。たくさんの売り子さんを出し、大変繁盛したという。

さて、あぶりもちの原型がすでにあった卯辰観音は前田家の産土神として参拝され、前田家三代 利常夫人である珠姫さまの手により、元和2年(1616年)に現在の場所に移転、造営され毎年四月一・二日には神事能が催されたという。

奇しくも珠姫さまの御命日は8月9日である。

四万六千日も8月9日

こじつけとご縁が大好きな byおっとこまえ

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