伝承と継承
立秋、夏の果…
とはいえ蝉も鳴き忘れる残暑厳しい…その日…
8月9日は長崎に原子爆弾が投下された、日本人にとって決して忘れることのない日。
その日は今年も多くのご参拝者とご縁ありました
「珠姫まつり」
1693(元禄6)年建立されて以来、現在までその姿を伝えている天徳院の山門(県指定有形文化財)の圧倒的な存在感と…
一瞬で積み上げてきたものが破壊されてしまう現実。
ちーん!
「珠姫さま供養法会」で響く鐘の音に、悠久への想いと鎮魂の想いが交錯する。
さて
加賀三代利常公の正室珠姫さまのお亡くなりになられた日「1622(元和8)年7月3日」が今の暦で8月9日にあたることから毎年この日を中心として法要・法話その他の催し物を開いている
「珠姫まつり」
今季八回目の金沢居合演武奉納も滞りなく終えることができました。
このたびは、師北島國紘と女性門下生二名による奉納でしたが、暑い本堂内にいっとき清涼感を与える静かな演武となりました。
見る側からすると簡単に扱っていそうな刀でも、実際に手に取り振ってみると、なかなかそう簡単には扱えないことがわかるのです。入門後数年、十数年経過した門下生を横に伝承の難しさと、益々の研鑽を期待する師匠。
さてさて
2016年度の日米芸術家交換プログラム(日米友好基金主催・国際文化会館支援)のフェローとして金沢市に滞在しています、オークランド、カリフォルニアを拠点に活躍するマークサーチのブルース・ダグラスさんとスー・マークさん、そしてジュニアのローリーくん。
そしてディレクター&通訳の中森あかねさん(Suisei-Art)が見学に来られて、師北島國紘にインタヴューしました。
すでに海外の弟子がいる師ですが、今回はアーティストと云う観点から日本の居合というものをどのように伝えていくのかとても興味深いイベントでした。
さてさてさて
先日第二の故郷福井へ行きました。
岩佐又兵衛勝以に逢うために…
福井移住400年記念
岩佐又兵衛展―この夏、謎の天才絵師、福井に帰る―
主催:福井県立美術館
又兵衛没後に天徳院山門が造営されたが、還暦までの20年を福井で過ごすうちに、宗派は違えど築後まもない天徳院に参拝していたかもしれない。なんて思うと愉快だ。
江戸初期に木版画が発生する以前に又兵衛の描いた風俗画が、浮世絵の原形とも云われているが、もっと言えば現在の漫画の原形とも云える絵巻物も描いている。と勝手に思っている。
ぜひぜひお勧めする!!
戦国期に抜刀術から派生していった居合だけでなく、建築物や絵画なども大切に伝承されてきたひとつだ。
それをその時々の現代人が…つまり人は常に進化しているわけではなく退化もする、というなかで継承され続けてきた。継承されたものが多少なりと異なっていることも許容範囲としつつも、地道な伝承の賜物だ。
往古の人々はすごいな…と思ってしまうのは、人は退化しているのだろうか?否?
by 種蒔き水やりのち大樹 おっとこ前!