居合も狂言も百万石まつりでね
金沢百万石まつりの花形「百万石行列」
その最後に入城祝祭が金沢城公園(三の丸広場)で行われます。
橋爪門の手前にステージを設置し、そこへ入城した利家公を迎えてフィナーレとなるのですが、その百万石まつりが終了するとそのまま百万石薪能が催されます。
ライトアップされた橋爪門、五十間長屋、菱櫓を後ろにし篝火のもと、仕舞、狂言、能が演じられました。
平成27年6月6日(土) の狂言は佐渡狐
狂言之師 炭哲男の百万石薪能での初シテ(主役)と親子共演ということもあり、遠慮なく撮影させていただいた。
佐渡狐あらすじ
毎年、年貢を納めに都へ上洛する越後の国のお百姓と、これも同じ用事の佐渡の国のお百姓が道連れになり、お互いの国の話をしているうちに、越後のお百姓は「佐渡は離れた島だから不自由なことが多いし、他の国にはあるものがないだろう」と言います。 自尊心を傷つけられた佐渡のお百姓は「他の国にあるもので佐渡にないものはない」と言ってしまいます。 越後のお百姓は、佐渡には狐がいないことを知っていて「狐はいないだろう」とやり返します。 話のいきがかり上、佐渡のお百姓は「狐はたくさんいる」と応えてしまいます。 それではと、お互いに腰に差している刀を賭けて、都のお奏者(取り次ぎの役人)に佐渡に狐がいるか、いないかを判定してもらうことにします。 都に着いた佐渡のお百姓は狐がいないのを、いることにしてもらおうと都のお奏者に賄賂を贈ります。 はじめは賄賂を断ったお奏者も袖の下にいれられ、受け取ってしまいます。 お奏者は、越後のお百姓に聞かれても大丈夫なように狐の形や特徴を詳しく教えます。 さて、越後のお百姓も入って評定になります。 このあとはどう展開していくでしょう。見どころ
昔から権力者に取り入って賄賂を渡し、自分も利権に預かるという話は数多くあります。 ここで、賄賂を受け取るのは年貢の取り次ぎを行う役人ですが、賄賂を受け取る方の葛藤をみると、今も変わらない風景がそこにはあります。 狐の特徴を細かく聞かれ、しどろもどろになる佐渡のお百姓、越後のお百姓に気づかれぬように教えるお奏者、二人の挙動を不審に思う越後のお百姓。 三人三様の仕どころがあり、おかしさがあります。 この曲は世上を風刺した曲として現在でも人気曲になっています。(能楽師和泉流狂言方 炭哲男)
きちんと年貢を納めた後に、「お願いが…」と言って、賄賂を贈ろうとする悪巧み満点な表情と、一貫して賄賂を断るが、勝手に袖の下に入れられ…『何も見てないよ』みたいなとぼけた表情が、狂言の面白さをあらわしている。
賭けたお刀の為、堂々と奏者の方を見て狐の特徴を掴もうとする佐渡のお百姓と、奏者が教えているのを知っていながら、奏者に文句も言えず、ただ妨害する越後のお百姓。
そしてお百姓より身分が上の奏者が、見ぬ振りをしたものの心中では賄賂を受け取った罪悪感からか、身振り手振りで必死になって狐の特徴を教えている。
三名がそれぞれの立場で必死になっている姿は見どころのひとつ。
今回は佐渡のお百姓と越後のお百姓が実の親子ということもあり、息の合った掛け合いがとても面白かった。
平成27年6月7日(日)
明くる日は場所を尾山神社に移し、午前11時より居合演武の奉納が行われました。
今年は演武奉納が始まって以来、最多の十五名
今回おっとこ前は「形仕合」のみの出番だったが、画像が間に合わなかった。
北陸新幹線開通の影響あってか、拝殿の中も外も多くの参拝者に囲まれ、門下生も気合が入っていた…よね!
今年も恒例の尾山神社での奉納を無事に終えることができた。
今年の11月には、同じく尾山神社の神門下にて奉納が予定されている。
皆が怪我無く末永く居合演武できることを切に願う。
さて、尾山神社では
金沢の遺産を後世まで『神門』保持奉賛金のお願い。明治八年に建てられ、その建築様式から国の重要文化財に指定されている神門、雨風や雪が多い風土ゆえに雨漏りや損傷の修理の為、十五年毎に保持修理を行っております 当神社の象徴ともいえる神門保持のため、皆様のご奉賛をお願い申し上げます。奉賛金額 1口 千円・ご奉賛いただいた方には記念品をお渡しいたします ・ご芳名を神社広報誌に明記し、送付いたします
尾山神社拝殿前にこのような看板が立てかけてあります。
奉納を終えるまで気づかなかったのは大変恥ずかしかったが、毎年11月にお世話になっている『神門』
少しでもお役に立てられれば…と思う。
尾山神社公式HPには詳細は無かったが、問い合わせは可能と思う。