霞たなびく武芸の秋に…
秋分の日を迎へ、金木犀の香りが待遠しい季節になりましたね~。
「武芸の秋」そして「芸能の秋」「しょくよくのあき」
ようやく涼しくなり、居合も狂言もがむばらねば!っていう矢先
居合で新しい「業」を教えていただいた。「業」といっても、最初は「こういう感じ」という形みたいなもので
これから数年…数十年かけて「業」を練り上げていくのだ。
さて…この居合の業ですが、新入門すると初伝として「正座之部 十一本」を習うことになる。これは正座の状態から始まるが「追風」のみ立った状態。
- 前
- 右
- 左
- 後
- 八重垣
- 受流
- 介錯
- 附込
- 月影
- 追風
- 抜打
次に中伝として「立膝之部 十本」これはあぐら状態から右ひざを立てて、左の踵をお尻の真下に置く座り方。最後の「真向」のみ正座。
- 横雲
- 虎一足
- 稲妻
- 浮雲
- 颪
- 岩波
- 鱗返
- 浪返
- 瀧落
- 真向
そして「奥居合居業之部 八本」これは立膝の状態からはじまる。
- 霞
- 脛囲
- 四方斬
- 戸詰
- 戸脇
- 棚下
- 両詰
- 虎走
その他「奥居合立業之部」「太刀打之位」などあるが今回はつづく…
「業」というのは、ひとつひとつに仮想の敵が存在し、その想定された見えない敵が自分に向かって切りつけてくるのか、刀を奪いにくるのか…などの動きに対して、どのように相手を制するか…が一つの「業」です。
よく奉納などで演武しているのがこの「業」です。刀を抜いて収めるまでが一つの業です。是を五回繰り返すと業を五本演武したということですね。
さて「武芸の秋」に相応しくも「奥居合居業之部 八本」のうち「霞」を今回教えていただいた。
ただ「奥居合居業之部」を教えられたからといって、最初の「正座之部」や「立膝之部」が合格したと言う訳ではないのです!
各流派や先生方によってさまざまな基準があると思いますが、すべての業を繰り返して繰り返して修練し続けるのである。
自分自身で居合を止めるまで…居合が止まるまで…そうして自分自身の居合というものが少しずつ出来上がっていくのです。
「無双直伝英信流」の掟を遵守さえすれば、上手いとか下手だとか優劣を判断することはないのです。
級もなければ段位もない。
試合もない。
テストもない。
完成もない。
宿題もない。
エアコンもない…。せんぷうき…
※↑当道場でのことです。各流派や所属の連盟等によっては段位はありますし昇級審査のようなことを実施しています。by おっとこまえ