投稿日:2015年2月10日

狂言初舞台! ありのままで!柿山伏

平成27年2月8日(日)石川県立能楽堂にて「狂言を楽しむ会 狂言の世界」が開催された。

石川と富山で狂言や狂言小舞を習っている生徒さん達が、日頃の稽古の成果を発表できる年に一度の機会である。


朝9時ころには石川県立能楽堂に入り

撮影機材のセッティングと本番前の稽古を前に紋付に着替え、「狂言 宗論しゅうろん 」の稽古 をしばらく見守った。

石川県立能楽堂 狂言舞台稽古の見学

っていうか、折角この日のために誂えた紋付袴だもん。

画像に残しておかなければ…


午後一時半から開演する本日の番組は

① 狂言 口真似くちまね

② 狂言 柿山伏かきやまぶし

③ 狂言小舞 餅酒もちさけ

④ 狂言 しびり

⑤ 狂言 寝音曲ねおんぎょく

 -休憩-

⑥ 狂言 茶壷ちゃつぼ

⑦ 狂言 清水しみず

⑧ 狂言小舞 祐善ゆうぜん

⑨ 狂言 萩大名はぎだいみょう

⑩ 狂言 宗論


さあ!

私ことおっとこ前は2番目の「柿山伏」に出演するので

12時半ころには山伏の装束に着替え始めた。

狂言師の先生方に前後を挟まれ着付けていただくのだが、日頃自分で和服を着るのでどうしても下を見てしまう。


そのたびに「下を見ない!」「動かない!」「下を見るな!!」

「ここを押さえて!」
「はい!」(下を見る)
「下を見るな!!!」
「ああ~」


こんなやりとりを交わしつつ、着付けが終わるのだが、あとで少しでも不具合などがあると、すぐに数人がかりで修正をする。


狂言の曲と曲の間に時間がかかるときがたまにある。

ちょっと準備に手間取っているのかな?ってより良くご理解いただければありがたいです。


そして着付けが終了すると、出演者全員で能村祐丞先生に一礼して鏡の間で出番を待つ。


鏡の間は楽屋と本舞台の間にある待機場所のようなところで

各々演者はここで本番前の精神統一をする…のだと思う…

石川県立能楽堂 鏡の間

もうそろそろで狂言 口真似が終了するときに、師である炭哲男先生が私の元へやってきて

「棒読みになるなよ」
「柿の木と畑主を敵だと思え!」

とアドバイスを頂戴したが、鏡の間ですっかりモチベーションを高ぶらせていたおっとこ前は「お前は最強の山伏だ!」「向かってくる敵を蹴散らせ!」と変換されて脳みそに飛んできた。


さあ本舞台へ!


柿山伏 あらすじ
山伏が旅の途中、のどの渇きをおぼえる。茶屋はないが大きな柿の木があったので、柿を取ろうとするが、刀をふっても石を投げても柿が取れない。そしてついに柿の木に登っていくつも柿を食べてしまう。そこへ畑主が柿の木の見回りに来た。畑主は柿の木に隠れている山伏に犬だ猿だといってからかい、鳶のようだから空を飛ぶだろうと困らせる。思い切った山伏は飛び降りるが、腰を痛め、畑主に治療せよと怒る。畑主は無視して帰ろうとするが、山伏の祈りによって引き戻される。怒った畑主は山伏を追い込む。

柿山伏 -和泉流狂言- 渋柿ぶー三つめの柿が渋柿だったので、おもわず吹き出したところに畑主が居て驚いたところ。
柿山伏 -和泉流狂言-山伏の祈りによって引き戻された畑主が倒れこんだのをみて、恐れ入ったかとドヤ顔をしている山伏。

今回、絶望的なミスもなく無事に初舞台を終えることができました。


ふたつ…感じたことを記したく思う

大勢の人々によって支えられていることを常に実感し感謝しないといけない!

素人ひとりの為に大勢のプロが時間と技術を惜しみなく費やしてくださり、また大勢の人々が素人の会にわざわざ足を運んでくださった。写真や動画まで撮ってくださった。こんな良い経験をさせていただいたことは決して忘れてはならないゾ!

他人にとやかくモノ申す前に自分が努力し最善を尽くそう!

今回舞台に立たせていただき、他の舞台やテレビ等に出演している人々を批評することが稚拙に思えてならなくなった。百歩譲って本人に直接批評を伝えるならば善しとしよう。努力してがんばっている人に影で批評はしてはならないゾ!

あ~

かっこいいぞ!

by おっとこまえ

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